5月に入って気温も高くになり、暑い日が増えてきました。
細菌が原因となる食中毒は夏場(6月~8月)に多く発生しています。
今回はそんな食中毒についてまとめてみたいと思います。
食中毒の原因の主なものは細菌とウイルスですが、
そのほかにもフグやキノコ、ジャガイモの芽などの食べ物自体に含まれて
いる自然毒や、魚や肉にすみついている寄生虫が原因になる食中毒もあり
ます。
食中毒になるとしたら、何時間後くらいに具合が悪くなるのか❓
食中毒の症状が見られるようになるまでの時間は、原因となる食中毒菌等により異なります。
短いものでは食品を食べた直後、長いものでは1週間以上経ってから症状があらわれることがあります。
食中毒の一般的な症状として、吐き気、おう吐、腹痛、下痢が挙げられ、発熱を伴う場合もあります。
食中毒の原因となる菌やウイルスに感染してから症状が見られるようになるまでの時間を「潜伏期間」といいます。
潜伏期間は、原因となる食中毒菌やウイルスにより異なります。
例えば、近年食中毒発生件数が多いノロウイルスの潜伏期間は24時間~48時間ですが、カンピロバクターでは2~7日です。
また、細菌が増殖する際に産生する毒素(黄色ブドウ球菌が産生するエンテロトキシンによる食中毒や、キノコや毒魚などの自然毒による食中毒、ヒスタミンなどの化学物質による食中毒の場合には、摂取してからすぐに嘔吐などを発症する可能性があります。
なお、摂取した食品の量や体調などによって、同じ原因菌やウイルスでも潜伏期間が異なることがあります。
食中毒の一般的な症状は上記のとおりですが、フグやキノコなどに含まれる自然毒によって麻痺などの神経症状が起こることがあります。
また、マグロやカツオなどの赤身の魚に含まれるアミノ酸の一種であるヒスチジンから、ヒスタミン産生菌などの細菌により、ヒスタミンが生成され、それを摂取すると、頭痛や発疹、発熱などの症状の食中毒を引き起こすことがあります。
食中毒につながりやすい調理・保存のNGとは 冷蔵庫での保存も注意!
3つのNG 食中毒の危険あり!
夏は細菌が増えやすく、食中毒には特に注意が必要です。大事なことはまず「温度」の管理。食品を低温で保存し、また加熱して食べることです。もう1つは「時間」の意識。夏は細菌の多くが思いがけず早く増殖してしまうのです。家庭での調理や食品保存で、最も食中毒につながりやすい「3つのNG」をご紹介しましょう。
NG①:生の肉を切った包丁やまな板で 野菜を切ってはいけない
生の肉には食中毒を起こす細菌がついていることが少なくありません。それを切った包丁やまな板で野菜を切ると、その細菌は野菜にもついてしまいます。
肉は加熱して食べれば細菌は死滅します。しかし、細菌のついてしまった野菜を生のまま食べて食中毒を起こしてしまうことがあるのです。
「野菜は先に切る・肉は後に切る」これを忘れないでください。肉と野菜で別の包丁やまな板を使えばなお安心です。また、生の肉に使ったまな板と包丁はすぐに洗剤で洗い、熱湯かアルコールで消毒しましょう。
NG②:生の肉に使った箸を 焼けた肉に使ってはいけない
焼き肉などで、生の肉をつかんだ箸で、焼けた肉を取ったり食べたりしてはいけません。
肉についている細菌は焼けば死滅しますが、箸に付いた細菌がそのまま口に入ってしまいます。
生の肉に触れる箸と食べる箸は必ず別にしましょう。
NG③:冷蔵庫を過信してはいけない
残った食品は冷蔵庫に入れると思います。しかし冷蔵庫を過信してはいけません。
ほとんどの細菌は冷蔵庫では大人しくしていますが、リステリアという細菌(写真)は増えてしまいます。
これまであまり知られていませんでしたが、年間推定200人程度が国内でリステリアによる感染症を発症しているとわかってきました。
食あたりになったときの対処法
食あたりになったときには、正しい方法で対処することが重要です。症状が軽く自宅で対処する場合のポイントは以下の3つです。
- 安静にして水分補給する
- 嘔吐する場合は横向きで寝る
- 消化が良い食べ物を食べる
下痢や嘔吐する場合は水分が大量に排出されるため、脱水症状にならないように水分を補給する必要があります。
白湯・常温の水・経口補水液・スポーツドリンクなど、少しずつ無理のない範囲で飲みましょう。
食あたりになったときの注意点
・下痢や嘔吐は我慢しない
下痢や嘔吐は我慢したくなるかもしれませんが、体内の細菌やウイルスを排出するためには必要な行為です。
・薬を自己判断で飲まない
下痢がひどいと市販薬を飲みたくなるかもしれませんが、はっきりと原因や病名がわからない段階では、下痢止め・頭痛薬・解熱剤などは自己判断で飲まないようにしましょう。
・周囲への二次感染を防ぐ
ウイルス性の食あたりの場合は、家族など周辺の人に二次感染が起こらないように気をつける必要があります。
排泄物や嘔吐物にはウイルスが付着しているため触れないように処理し、もし触れてしまった場合はしっかりと手を洗ってください。
衣類やシーツに付着した場合は洗剤で洗い、必要に応じて消毒しましょう。
また、食器や衣類は患者とそれ以外の人のものを分けて洗い、共用しないことが望ましいです。
食器は使い捨てのものを使用するのも選択肢の一つです。
これから気温も上がり暑くなってきます。
キャンプシーズンで出かけることも増えますが、食中毒には皆さん気を付けてください。
参考引用URL
食中毒につながりやすい調理・保存のNGとは 冷蔵庫での保存も注意! | NHK健康チャンネルhttps://www.nhk.or.jp/kenko/atc_1333.html